株主・投資家向け情報:2010年3月期 第3四半期決算説明会 質疑応答

まずはおいしいところピックアップ。

  • A1:iPadの感想からですが、「大きいiPod touchが出た」と思いました。「私にとって意外なことはありませんでした」というのが感想です。
  • A1:任天堂ビデオゲーム以外(の音楽、動画、電子ブック、SNSなどの分野)に興味はないのかということについてですが、私はビデオゲームというものの定義が広がっていく形で任天堂の事業領域が広がっていくと考えています。
  • A2:(次期DSについて)記者の方から、「次のDSは高精細のグラフィックスになってモーションセンサーとか入るんですよね」と聞かれました。「そういうことは当然必要とされるんでしょうね。でもそれだけで売れると思いますか?」というのが私が答えたことなんです。
  • A2:("Wii HD"について)ただ、Wiiハイデフィニション対応、高解像度対応にしただけで、新たに世界中のお客様に買っていただけるのかということについて、やっぱり私は、そのことを聞かれたら、「それだけで売れますかね?何か新しいことがいりますよ」と答えると思います。
  • A5:キンドルは(電子書籍という)比較的コンパクトなサイズのものをダウンロードするということに特化しているのであのモデルが成立しているのですが、例えばWi-Fi通信の対戦ゲームを延々とパケットを使って通信してもお客様がお金を払わないですむ方法は、今のところ何がしかの大きなイノベーションが生まれない限りは実現不可能なわけです。
  • A7:(外部のプラットフォーム利用について)基本的に自社のプラットフォームを自社ソフトでまず立ち上げて、ソフトメーカーさんにも魅力を感じていただける市場を作って、ソフトメーカーさんに入ってきていただくという循環でずっと任天堂のビジネスはやってきましたから、基本的に「(最初は)自分でやるんだ」という意識が任天堂の中にはあるわけです。
    一方で、インターネットでさまざまなサービスを展開する時に、全部本当に自分でやるべきなのだろうかと考えるんです。例えばWiiを立ち上げた時に、『お天気チャンネル』とか『ニュースチャンネル』を作りました。自分たちが中心となって立ち上げましたけれども、時計を戻せるなら、「あれって、任天堂が直接やらなくても、どこかのサービスとうまく提携することで任天堂自身がやらなければいけないことをもっと減らせたんじゃないだろうか」ということを考えたりしています。
  • A8:ゲームキューブを作った時代から3Dのディスプレイができた時のために左目用の絵と右目用の絵を分けて出せるような回路が実はこっそりと仕込んであったんです。
  • A9:私たちが意識しているのは、「競合にどう勝つか」ということよりも、むしろ、「自分たちが提案していることはお客様にとって新しく楽しそうに見えるのか」ということです。

ゲーム会社の質疑応答でiPadについての質問が出るのは今時だなーと思ったり。注目したいのはWii HDについての見解が示されたこと。Wii HDの存在を否定せず、「世の中にライバルメーカーというのがなければ、私はここで「例えばこんなことも考えていましてね」ということも言えるんですが、競争上の理由もありますので、具体的にどんなことを考えていて、いつ、ということは今日は申し上げられません。 」なんて発言をするあたり、ちょっと含みがあるんじゃない?って感じ。